子どものころ、ピアノや習字を習っていた私は、それを長く続けることができていました。何曜日に何をやる、ピアノの前に座る、という小さな習慣が心地よかったのかもしれません。ピアノは毎日練習することが当たり前で、できないことがあると悔しくて、弾くことが楽しかったのです。でも、大人になるにつれて、興味のあることが増えたり、忙しさに追われたりして、ピアノ以外でも「毎日続ける」ということが難しくなっていました。
止まっても、また進めばいい
最近始めたことの一つに、手話の勉強があります。他の人は10進むのに、私は1も進んでいないんじゃないかと思うことばかりでした。練習の時間も多くとれず、それでも、続けているとある時ふと、「あ、覚えた単語が増えてる!」と気づく瞬間がやってきました。
この経験からわかったのは、進む速度や他の人と比べることよりも、やめずに続けることが大事だということです。自分では気づかないうちに、ほんの少しずつでも成長している。それを実感できると、なんだか心が軽くなり、また少し前に進もうと思えるのです。え、そんなことって思うかもしれませんが、やめたらやめっぱなしのことって結構あるのです。もちろん手放す、ということも必要な時もあるかもしれませんが、楽しみがあるっていいですよね。
小さな積み重ねが未来をつくる
考えてみると、何かを学ぶというのは、ほんの小さなステップを積み重ねていくことの繰り返しです。手話は何度やってもなかなか覚えられない単語や文法もあって、時間がかかりますが、それでも1年後、5年後には、今の自分とは全く違う景色が見えるかもしれません。それは、続けているからこそ得られるものです。来年はデフリンピックがあるので楽しみです。
続けるコツは完璧を目指さないこと
続けることが難しいと感じるのは、「完璧でなくてはならない」と自分にプレッシャーをかけてしまうからかもしれません。考えすぎてできなくなってしまうこともありませんか?私はあります。でも、本当はそんなこと必要ないんですよね。たとえ週に1回しかできなくても、1分だけでも取り組めれば、それは「やった」という事実になります。それを思い返すことにしています。人に大きな声で言えなくたっていいんです。自分で自分にやったぞって思えば。積み重ねた時間は、自分にとって財産です。
過去の自分に気づく力を持とう
今、もしできていないと感じているなら、少しだけ振り返ってみてください。1年前、半年前の自分はどうだったでしょうか?案外、「あの頃よりもできていることが増えている」と思える瞬間があるかもしれません。それに気づけたら、自分を褒めてあげてください。それが、また続ける力になります。
あなたのペースで大丈夫
人生は長い旅のようです。急いでもゆっくりでも自分のペースでいいのです。時には立ち止まったり、歩みを感じながら進んでよいのです。そして、その旅の途中で気づくこと。「私、ここまで進んできたんだ」私も手話を続けながら自分にできることを少しずつ積み重ねていこうと思います。覚えるのに時間がかかりながら絶賛勉強中なので、お話ししてくださる方がいたらぜひご一緒しましょう。
何かを続けることが難しいと感じたとき、「やめないでいることが一番の成長だ」と思い出してみてください。